ワイナリーの特徴
カワラウ川の北側70m上に位置するチャードファームは眼下にはカワラウ渓谷、見上げれば雪を頂くカドロナ山脈といったように、ニュージーランドで最も印象的な風景をもつワイナリーの一つです。1987年に最初のぶどうを植えたのち、クロムウェルベイスンにもぶどう畑を広げ今ではセントラルオタゴでは規模の大きなワイナリーの一つになっています。
ぶどうを植えた当時は、涼しい気候であることから、(涼しい気候に適した)ドイツワイン品種でないと育たない、あるいはせっかくのメリノ羊牧場を無駄にする、高品質のワインができるわけがない、といった懐疑的な声が殆どでしたが、1990年代中頃には高品質のブルゴーニュ品種のワイン(ピノ・ノワール、シャルドネ)を生産することが認められるようになりました。また、設立者ロブ・ヘイは、旅行者を見込んで風景で土地を選んだのではなく、純粋に高品質ワインを造るためにこの土地を選んだとも言っています。
高品質ワインを生み出す「ChardFarm」ブランドの他、2003年には他のピノ・ノワール栽培者との合弁事業「Rabbit Ranch(ラビットランチ)」ブランドも始めています。ラビットランチは、お手頃価格でフルーティで軽くかつおいしいワインという当時のセントラルオタゴでは新しいタイプのワインでした。
ワイナリーの位置
ギブストンバレー地区 クイーンズタウンより25分。
バンジージャンプ発祥の地バンジー橋の近くにあります。主要道路からワイナリーに向かう未舗装のチャードロードは、かつてクイーンズタウンへ向かう道でしたが、カワラウ橋(今のバンジー橋)が1880年に建設されてからは、チャードファームと隣の牧場に行くだけの道となっています。
ワイナリーの歴史
セントラルオタゴのゴールドラッシュをきっかけに、1862年イギリスからリチャード・チャード(Richard Chard)がセントラルオタゴにやってきました。何年か金鉱で働いた後、クイーンズタウンへ向かう古い馬車道の外れ(現在のチャードファーム)に落ち着き、1エーカーの土地に畑、果樹園をつくり、牛などを飼い始めました。Chard Farm(チャード農場)です。次第に、その道を通る金鉱堀りたちに食糧を提供するようになり、50エーカーまで土地を拡張しました。
ゴールドラッシュが下火になり、1905年にリチャードが亡くなった後は、息子のフレッド(Fred Chard)により酪農場として続けれました。フレッドが引退した後の1980年代初頭は、果樹園として使われ、灌漑用水のためにダムが建設されました。
1985年、ドイツでワイン造りを学んで帰ってきたロブ・ヘイ(Rob Hay)は、ワイン用のぶどう栽培を始めるにあたり、偉大なるワイン産地ブルゴーニュ、アルザス、
南ドイツ(すなわち中央ヨーロッパ内陸の涼しい気候の土地)に匹敵する土地をニュージーランド内で探し、1987年にここチャードファームを買い取りました。チャードファームヴィンヤード(ぶどう畑)の始まりです。
その後クロムウェルにもぶどう畑を拡大し、1993年ギブストンバレーにワイナリーを設立しました。2003年に設備を拡張し現在に至ります。
チャードファームのヴィンヤード
ギブストンおよびクロムウェルベイスンに約44ヘクタールのぶどう畑を所有しています。それぞれの畑に名前がついており、それぞれの土地に合わせたぶどうの品種を植えています。また他のぶどう園からぶどうを仕入れることもしています。
- ホームブロック(HomeBlock):ギブストン
- タイガー(Tiger):ロウバーン/クロムウェルベイスン
- バイパー(Viper):パークバーン/クロムウェルベイスン
- シンクレアブロック(Sinclair Block) :パークバーン/クロムウェルベイスン
- クックブロック(Cook Block) :パークバーン/クロムウェルベイスン
チャードファームのワイン
いくつかのサブリジョンにぶどう畑を持つことから、それぞれの土地の特色が出るように同じぶどうの品種から複数のワインを造っています。
- ピノ・ノワール(全体の約70%)
ザ・タイガー(The Tiger)、 ザ・バイパー(The Viper)、マタ・アウ(Mata-Au)
フィンラ・モア(Finla Mor)、リバー・ラン(River Run) - リースリング
リースリング、ヴァイパーリースリング(Viper) - ピノ・グリ
- シャルドネ
ジャッジ&ジュリー(Judge&Jury)、クロースバーン(Closeburn) - ゲヴェルツトラミナー
- ソーヴィニョン・ブラン
※「Rabbit Ranch」ブランドは、レストランや海外に出回っていますが、ワイナリーでは試飲、販売をしていません。
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